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さよなら!僕らのソニー

さよなら!僕らのソニー (文春新書)

ジャーナリストの方が著者です。1994年よりソニーを取材しているそうです。
幼少の頃からの体験により、技術的にすぐれたソニー製品は、憧れであったと言います。高い技術力を背景にトランジスタラジオ・トリニトロンカラーテレビ・ウォークマン・ハンディーカムなど、人々をワクワクさせるような製品を作る会社、これが著者の言う「僕らのソニー」なのです。
しかし近年、このような画期的な商品を生み出していません。それどころか、利益の7割を稼ぐエレクトロニクス事業が不調です。とりわけ主力のテレビ事業は、7年連続の赤字を記録しています。
どうしてこのような状況に陥ってしまったのでしょうか。
これらを経営者の推移とその経営者の考え行動から解き明かしていこうというのが本書です。

ソニーの初代社長、井深大氏。二代目は共同創業者の盛田昭夫氏。創業時の設立趣意書には、大きな会社と同じ事をやったではかなわない。技術のすきまはいくらでもある。大会社の出来ない事をやり、技術の力でもって祖国復興に役立てようというものでした。
しかしこの物ずくりを通して社会に貢献しようという創業精神は、4代目の大賀典夫氏まで、次の出井伸之氏に至っては、ハード(家電製品)よりもソフトやコンテンツのほうが大切だという舵取りをし、画期的な新製品を生み出せないまま、エレクトロニクス事業を大赤字に落としいれてしまいます。これがいわゆるソニーショックと呼ばれ、バブル崩壊後、日経平均株価の最安値を更新してしまいます。
次にCEOに任命されたのは、ソニーアメリカで主にエンターテーメント事業に関わっていた、ハワード・ストリンガー氏でした。エレクトロニクス事業を復活させると、就任会見で発表したものの、実際には出井氏を踏襲するように、ハードは何でも同じコンテンツが重要という立場に立ち、さらに、大リストラを敢行します。これでは、物ずくりに情熱を燃やしていた技術者たちは、ソニーから離れていきます。リストラと社有地の売却益(この中には創業時の本社ビルも含まれていたそうです)見た目には良い決算数字を出しますが、とても画期的な新製品を生み出せる状況にはありません。

経営数字さえよければ良い、株主利益が護られればそれで良いとか、経営者に対する評価はいろいろなのでしょうが、著者は技術の流出、喪失など、物ずくり企業として見たソニーという会社、井深大・盛田昭夫という偉大な創業者・創業精神を忘れてしまった、経営者には批判的です。

そして大賀典夫氏の葬儀会場で著者は思うのでした。「さよなら!僕らのソニー」と。

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テーマ:ビジネス・起業・経営に役立つ本 - ジャンル:本・雑誌

コメント
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いろいろいつも 本の紹介ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします
2012/12/01 (土) 07:51:29 | URL | 竹林乃方丈庵 #LkZag.iM[ 編集 ]
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