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ユネスコ「無形文化遺産」生きている遺産を歩く

ユネスコ 「無形文化遺産」

「無形文化遺産」という言葉ご存知でしたか?「世界遺産」ならとか、少し詳しい方なら「世界遺産」と言っても「世界文化遺産」と「世界自然遺産」に分かれているんだよと答えられるでしょう。2012年夏現在962件登録されています。私もこの程度の知識でした。
しかし、この「無形文化遺産」、どこぞの怪しい団体が考え出したまがい物かとも思いましたが、そうではなく「世界文化遺産」と「世界自然遺産」を登録しているユネスコ(国連教育科学文化機関)によるものです。2012年夏現在259件が登録されているそうです。
一体どういう物が登録されているの?という疑問がわきますが、その定義はかなり曖昧のようです。
まず「世界文化遺産」と「世界自然遺産」のほうは卓越性が登録の基準になります。素晴らしいもの、すぐれたものという意味です。しかし「無形文化遺産」は必ずしも卓越性というものは登録の基準にはならないようです。無形の文化の優劣を判断する事は、そのコミュニティーの優劣を判断する事になり、ひいては人間の優劣を判断することにつながってしまうからです。

伝統的だと認証され、味わい深いと見なされ、単なる金儲けのためだけではない、人間の活動の総体。
文化コミュニティーの中で共有され、象徴的なアイデンティティーと見なされ、世代から世代へと伝統として受け継がれていくもの。
この二つが登録の条件と言いますが、やはり曖昧です。コミュニティーと伝統という言葉がキーワードのようです。
そもそもは、先住民族の知的所有権保護というところから発した考えでしたが、日本の文化財保護法からのアプローチを交え、いろいろな議論を経て、2003年無形文化遺産保護条約として採択されました。グローバル化の波に飲まれ消滅してしまいそうな文化を保護しようというものです。

具体的にどのようなものが登録されているかと言いますと、歌や踊り・工芸・儀式や祭礼・生活の知恵・都市空間・農村空間・指笛・裁判所まで多様な分野に広がっています。
その中のいくつかを著者が巡ります。
表紙の宗教画のような写真は、スペインのエルチェという都市で、市民の手ずくりのオペラのような劇の一幕です。
マダガスカル島の道路のない(車で行けない)村にある木彫りの工芸。ぺラルーシに伝わる著者がチャンバラのようだ称す正月行事。スペインの闘牛。話者が一人になったと伝えられた、ラトヴィアのリボ二ア語などです。
そして最後に、原発事故でコミュニティーが分断されたチェルノブイリ、福島と巡ります。

グローバル化によって消滅の危機にさらされる文化、グローバル化によって様々な場所で紹介され、新たなコミュニティーを生み出し、変貌を遂げる文化、さまざまに入り組み合う。文化とは、人間の知恵の結集な訳ですから、
ましてや無形文化にとって、一筋縄でいかないところが、多く考えさせられました。


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人間の知恵の結集
≪グローバル化によって消滅の危機にさらされる文化、グローバル化によって様々な場所で紹介され、新たなコミュニティーを生み出し、変貌を遂げる文化、さまざまに入り組み合う。文化とは、人間の知恵の結集な訳ですから、≫

 「文化とは人間の知恵の結集」の箇所、まったくその通りだと思いました。その土地で生きる為の知恵が結集しているのだと思いました。
2012/11/16 (金) 12:25:34 | URL | タケゾウ #-[ 編集 ]
Re: 人間の知恵の結集
すっかり「世界無形文化遺産」という制度の紹介になるところでしたが、
私には目新しかったので、これでいいかなと思いもしました。
いや、著者が書いていたのは「文化」そのものだと思いなおし、
慌てて書き足した部分でした。
2012/11/16 (金) 21:45:35 | URL | バスター #-[ 編集 ]
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