遠距離通勤のお供「読書案内」
ビジネス書を巡る2時間20分の冒険
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スティーブ・ジョブズ スペシャル

Steve Jobs Special ジョブズと11人の証言

NHKスペシャルの番組制作のため、ジョブズ本人と、ジョブズに近かった人11名にしたインタビューで構成された本です。
スティーブ・ジョブズ本も随分たくさん読んできましたが、どの本でも語られている、「情熱」という言葉が一番好きです。
さて、本書で私が注目した部分は、ジョブズが傲慢で、あたりかまわず怒鳴り散らし、部下をこき下ろすという話しは、有名ですが、その理由についての話です。
一つは、ビル・フェルナンデス(アップル創世期のエンジニア)によると、「こんなものはくそだ!」と平気で相手を傷つけることを言いますが、彼としては、相手を傷つけたり打ちのめしたいと思ってそうしたことを言っているわけではないのです。「これでは不満足だ」「これは我々が望んでいたものではない」「これでは我々が目標とするところに到達していない」「「まだ改善の余地がある。もっと頑張って欲しい」巷で伝えられている侮辱的なコメントの中には、こうしたすべての意味が含まれています。でも彼は、相手を傷つける方法でしか表現できなかったのです。
続いて、リッチ・ペイジ(アップルフェローに選ばれた最初の4人の一人、ジョブズとともにネクストコンピュターへ)によると、ジョブズは都合のいい事を言われるのが大嫌いな人間です。気軽に話せる雰囲気を作ってしまうと、相手が落ち着いて対応し、都合のいい事を言いやすくなると気が付いたからです。反対に攻撃的に対応し、相手が受身になるような環境を作ると、人はアドレナリンが流れている状態になり、本音を語りやすくなります。つまり、冷静に対応して、相手にとって都合のいい答えを返したり出来なくなるわけです。
そしてウォルター・アイザックソン(公式伝記の著者)日本企業を訪問した際も、見学先の会社の製品を同じ会社の重役の前で、「あまりよくない」と言ったり、もっと厳しい言葉を使って批判したりする事もありました。これは自らの情熱を駆り立てるための彼独自のやり方でした。と同時に「私は権力に服従するような人間でではない」と表明する手段でもあったのです。
3人3様の解釈ですが、すべては、情熱を持って最高の製品をつくるためともいえます。
最後に、スティーブ・ウォズニアック(アップルの共同創業者)「ジョブズにとって何よりも大切だったのは人間なんです。それがスティーブ・ジョブズのすべてなんです」人間臭くて不器用な天才、スティーブ・ジョブズを言い表す端的な言葉だと思いました。
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コカ・コーラ叩き上げの復活経営

コカ・コーラ 叩き上げの復活経営 (ハヤカワ・ノンフィクション)

ザ・コカ・コーラカンパニー前CEOネビル・イズデル氏による著作です。
氏はアイルランド生まれ、父親の転勤に伴い、アフリカへ渡ります。そこで小さなコカ・コーラのボトラーに入社します。日本でもそうなのでおどろく事ではありませんが、世界の多くの地域がコカ・コーラの本社がコーラを売っているのではなく、大小さまざまなボトラー(フランチャイジー)が本社から、原液を買って、製品にして売っているということに、改めて驚かされました。
しだいに頭角を現していき、本社採用になり、世界中の様々な地域に赴任し、そこで問題を解決し、地域シェアを増やしていきます。ペプシとの攻防、各ボトラーとの折衝、健康ブームによるコーラ排斥の動きなど、解決していきます。最後には、ヨーロッパを統括グループの責任者に就任し、全世界の利益の三割を統括します。
そして一度は、引退しますが、取締役会の要請により、会長兼CEOに就任します。ここからが圧巻です。偉大なCEOが辞めた後、しばらく道を見失い低迷していた、コカ・コーラを再生に導いていきます。「再生へのマニフェストを作成し、今まで、味方でなかった(本当は一番の味方でなくてはならない)社員に、かれらの計画としてそれを所有し、信じたことで、再生への歯車が回っていきます。企業は社員の支えがなければけっして成功できない。経営陣が社員の最善を願い、彼らのために闘う事ことを、社員が確信しなければならない。
あまりにいいので、ここにも記しておきます

コカ・コーラ社には、とても特別な「なにか」があります。人々に愛されるブランドを築き、企業として、個人として、最善をつくすことから生まれるプライドがここに存在するのです。その魔法こそ、いま私たちに必要なのです。近年私たちは明確な方向性を失い、企業としての共通の目的を見失っていました。難題に対しバラバラに受身で対処し、一丸になっていませんでした。目の前の事に囚われすぎたのです。偉大な企業は、私たちの中にきっと存在しています。この会社の立て直しは、もう待ったなしなのです。

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履歴書無用!どん底と成功のサバイバル物語

履歴書無用! どん底と成功のサバイバル物語

センセーショナルなタイトルに引かれて、手に取りました。
著者の方もそうだそうですが、どん底と成功を繰り返す人々がいます。いわゆる、V字回復の連続、山あれば、谷がある。そうした人々を、インタビューしたり、過去の偉人の行動を解説することによって、心理や行動を解説していきます。
履歴書無用とは、著者の履歴書がそうであるように、低学歴、若いときに転職を繰り返す、いわゆるダメな人。そんな学歴、職歴は関係ないよということらしいです。
平穏で平な人生はつまらない、逆に安定した状態を自分の進化を止める原因、として安定した状態を受け入れないというのが、著者の考えです。

教訓めいたことが、ずらずらと書かれている本は、どうも記事にしにくいと思いました。読んでいて、なるほどと思うことはありますが、楽しくありません。
いつもは、昼間読んだ本を夜記事にして、明日違う本を読み始めるのが、私のパターンです。
しかし、本書は、一昨日に読み、どうしたものかと思っているうちに、時間が過ぎ、翌日再読しましたが、なかなかどういう記事にしていいか、わからないうちにまたも時間が過ぎてしまいました。あきらめて今日は別の本を読みました。
するとどうでしょう、すっかり、本の中に引きずり込まれるように、集中して読めました。最近あまりなかった感覚でした。自分が、どういう本を好み、求めていたのかを。答えは「ストーリー」でした。ストーリーを追う事によって、引き込まれ、内容も吸収しやすくなる。
最近、こう生きるべき、仕事はこうすべき、心の持ちようはこう、といったような本ばかり読んでいたので、忘れかけていた、感覚です。
多くの本に書かれていますが、いつもと違う行動をすることによって、ひらめきが生まれる。まさにこのことを、無意識のうちに、実行していたのです。

あまり本書とは関係ないことばかり書いてきてしまいましたが、本書はあまりにもたくさんの事例が要約的に示されていましたが、内容は興味深い人々の紹介がありましたので、もう少し一つ一つの事例をストーリー仕立てにして、深く掘り下げていただいていれば、楽しめたのかなと思いました。

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憂鬱でなければ、仕事じゃない

憂鬱でなければ、仕事じゃない

幻冬舎社長 見城徹氏とサイバーエージェント社長 藤田晋氏による共著です。
見城氏の言葉に自ら解説を加え、藤田氏がそのテーマを引き継ぐ形で自身の見解を述べられる形式の本です。
35個くらいの言葉が出てきますが、概して、2つのテーマにお二方ともに、思い入れが大きいようです。
1つは、死ぬほどの努力(ほかの人には真似できないような努力の積み重ね)をしてきたという事です。
  努力は自分、評価は他人
  スムーズに進んだ仕事は疑え
  苦境こそ覚悟を決める一番のチャンス
  これほどの努力を、人は運という
  ふもとの太った豚になるな。頂上で凍え死ぬ豹になれ
  男子たるもの、最後の血一滴が流れるまで、戦い抜け
といった言葉から、うかがい知れます。
もう一つは、凡庸であってはいけない。簡単に思いついたアイデアなどはたいしたことがない。考えに考え抜いたアイデアだけが、成功する。
  「極端」こそわが命
  刺激しなければ相手の心はつかめない
  「この世あらざるもの」をつくれ
  無謀を演出して鮮烈に変えよ
人並みはずれた努力、人とは違う視点の持ち方、成功の秘密を教えてくれます。

最後に、ほんのタイトルになっています「憂鬱でなければ、仕事じゃない」とは随分逆説的な言い方のような気がしました。この前読んだ(私のブログ「仕事は6勝4敗でいい」)では、仕事は楽しくなければ(楽しくしなくては)ならないといけないと学んだばかりだからです。
見城氏は、その日の予定に3つ以上憂鬱な事がないと、かえって不安になるそうです。憂鬱を好む人間などいない。しかし一方で、憂鬱は大きな反発力を生む。それに気付いたとき、憂鬱は間違えなく仕事の糧になる。
楽な仕事など、たいした成果は得られない。憂鬱こそが黄金を生む。苦難と情熱はワンセットなのだ、人間は苦しいから、情熱を感じ、乗り越えていける。
つまり、憂鬱には、黄金が隠されているとともに、情熱を沸き立たせてくれる2つの効果があるということです。
一方藤田氏は、人生を振り返って、自分が成長したと感じられたときは、大抵憂鬱が付きまとっていたそうです。先が見えず不安で憂鬱な日々を乗り越えて前に進む人だけ、新しい価値ある何かを生み出すことがあるのです。と語っています。

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仕事は6勝4敗でいい

仕事は“6勝4敗"でいい 「最強の会社員」の行動原則50

ライフネット生命代表取締役社長の出口治明氏による著作です。
氏は、60歳にして日本生命を退職され、「若い世代の保険料を安くして、安心して子どもを生める社会を作る」という素晴らしい理念を掲げ、起業し、経営されています。崇高な理念をお持ちなだけあって、多くの言葉が心に沁みます。
まず、サブタイトルにあります「最強の会社員」とは、どんな人なのでしょうか。
10代、20代でやりたい事を見つけ、それに邁進し、才能に恵まれ、成果を上げているような人は、ほんの1%にすぎません。例えて言えば「鉄の人」です。鉄は叩けば鋼になりますが、著者を含め残りの99%は「土の人」です。ゆっくり焼き上げ、割れない瓦になればいいのですと、焦る必要のないことを教えてくれます。
「長所を伸ばし、短所を直せ」という言葉をかけられることがありますが、長所と短所は表裏一体、短所を直すという事は、個性という角を削る事により個性を殺す事になってしまいかねません。削るという事は、小さくするという事になり、人間自体が小さくなってしまう可能性があります。「角のある、長所を伸ばした人」である必要があります。
ではどうすれば、「角」を削らずに会社員として、生きていけるかのか。それは、仕事を楽しむ事だといいます。何事にも楽しさを見出す知恵があれば、環境の変化にも楽しく自然に対応していく事が出来ます。どのような時代になっても仕事を得食べていける人を「最強」と考えます。会社の方針に照らしあわせ、きちんと言うべき事の言える社員だと言います。
本全般に考え方として「数字・ファクト(事実)・ロジック(理論)」という事が何度かでてきます。相手を説得する3要素です。数字と事実を組み合わせ、理論を展開する事によって、説得力が高まるという事です。

さて、タイトルの「6勝4敗」ですが、最近ではウィンウィン(どちらも利益を享受できる)という言葉もありますが、ビジネスの世界では必ず勝者がいますが、9対1や10対0など完全に打ち負かそうとせず、相手より少しだけ上回る程度がよいということです。

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五感で学べ

五感で学べ (Orange page books)

サブタイトルとして、「ある農業学校の過酷で濃密な365日」とあります。ある農業学校とは、タキイ種苗株式会社タキイ研究農場附属園芸専門学校のことです。ここに著者が体験入学しながら、ここに学ぶ生徒、教える社員(場員)にインタビューし、まとめられた本です。
18歳~24歳の男子限定の全寮制で、入学費・授業料・寮費・食費などは、すべて無料。出身地も学歴も、個性もバラバラな若者たちが、1年(本科生)もしくは2年(専攻生)農業の技術のみならず、集団生活を通して将来農家を経営していくための人間関係を学んでいます。
生徒を畑で育つ植物、場員を農家の人にたとえ、畑を介してお互いに、育て、育ち、教え、教わる関係だといいます。著者は始めに、畑が人を育てているのではないかという仮説を立てますが、ここで体験した事と社会園芸学という学問(植物と人間、園芸と人間、園芸と教育などの関係を研究する)があることを知り、やはり畑は人を育てるのだと確信します。

実習は、過酷です。普通の農家なら大抵機械でする作業も、人力で行います。機械が壊れたとき何も出来ないでは困るから、基本を学ぶといいますが、真夏の畝ずくりは過酷さが、読んでいて痛いほど伝わります。
おどろいた事に、そんな時、誰からともなく「元気出していくぞー」「おうぃ」「声出していくぞー」「おうぃ」と掛け声をかけながら(運動部の掛け声と同じ)、作業を進めるそうです。この掛け声というのは、不思議なもので、傍から見てるかぎりでは、声を出している間にもっと集中しようとか、声を出す分、余計に疲れてしまうのではないかと思いますが、いざ声を出してみると、集中し、辛いことを吹き飛ばしてくれるのです。少年野球チームで学び、中学、高校、大学と声だしを実践してきましたが、社会人になり20数年たち、自分の若かりし情熱のすっかり忘れていた感覚を思い出させてくれました。辛い時・厳しいとき・そうだ声を出せばよかったんだと。

「最近の若者は」というのは、いつの時代にもあることですが、ここまで真剣に人生に向き合える若者たちのの話しを聞き、うらやましく思いました。せっかく思い出させてもらった自分の情熱を忘れてはいけない。

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「魚の釣り方」は自分で考えろ

「魚の釣り方」は自分で考えろ

「空腹の人に魚を与えても、一時的に飢えをしのげるだけで、根本的な解決にはならない。魚の釣り方を教えれば、その人は一生食べるのには困らない」有名な説話です。しかし、現在のようにめまぐるしく変化する時代においては、魚の釣り方を教えたところで、その方法ではすぐ魚が釣れなくなる可能性があります。ですから、「魚の釣り方を自分で考える方法を教えること」が正解となります。
では、どうすれば、「魚の釣り方を自分で考える」ことを身に付けることが出来るのでしょうか。
まずは、土台ずくりとして、自分に絶対的な自信を持つこと、世の中に唯一絶対の答えはないという認識を持つこと。これによって固定観念がなくなります。これまでの方法で魚が釣れなくなった時、来る日も来る日も同じ方法で魚を釣ろうとして徒労に終わるのでなく、すぐに新しい釣り方を考える事が出来るようになるのです。自らを信じ、自らのアイデアを自信を持って推し進める事によって、自分で考える事が可能になるのです。
さて、自分で考える力とは、どういうことでしょう。考える力とは、出口・意欲・経験・分析の4つの要素から成り立っています。
出口はアウトプットのことです。考える行為は、何らかのクエスチョンに対して自分なりのアンサーを出すためのプロセスに他なりません。同じアウトプットでも考えることと、知っている事は全く別物ということを、認識しなくてはなりません。
意欲がなければ人は考える事を簡単に放棄します。本当にやりたい事を実現したい、欲しいものを手に入れたいという意欲があるときこそ、脳はフル回転するのです。
そして、ひらめきは天から降ってくるものではありません。経験から導き出されるものです。
さらに知識を鵜呑みにするのではなく、きちんと分析するなかで自分なりの意見が構築されるのです。

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「県境」の秘密

「県境」の秘密

飛び地や境界未定地があるというくらいの知識はありましたが、本書には県境の秘密がいっぱいです。
「知らなかった、驚いた」をいくつかご紹介します。

県境に建つ神社は廃藩置県の際に、それまで一つであった神社が分社され、二つの神社に分かれてしまいました。
本書には、二つの県に分かれてしまったため、神社も分かれてしまったという記述で、理由は書かれていません。
神社は越境してはいけないのでしょうか?ちょっと調べてみましたが、答えは出てきませんでした。栃木・茨城県境にある二つの鷲子山上神社と、群馬・長野県境にある熊野神社・熊野皇大神社が紹介されています。それぞれ、一見一つの神社に見えますが、別々の宗教法人が管理し、お賽銭箱も別々にあるそうです。県境の上にあったが故の特殊事例です。

日本一の標高を誇る富士山ですが、山梨・静岡県境にそびえていることは、知らぬ人はいないと思います。
しかし、最高峰の剣が峰は、山梨?静岡?それとも剣が峰が県境? 実は西は剣が峰の手前から、東は二合目の御室浅間神社近くまで、5kmにわたって、境界未定地なのだそうです。さらに、八合目から上は一部の国有地(気象庁・環境省・国土交通省)以外は富士山本宮浅間大社の私有地なのだそうです。このことが、境界未定地の原因なのでしょうか。

瀬戸内海に浮かぶ島の中に、岡山・香川県境のある島があります。その上同じ島でも岡山側は石島、香川側は伊島と一つの島で、2つの名前がついているそうです。これは江戸時代の漁場争いの結果の折衷案だそうです。
探検家、36歳の憂鬱

探検家、36歳の憂鬱

学生の頃は探検家とか冒険家という人に憧れていました。自分自身が探検に行ったりしていたわけでなく、植村直巳や本多勝一といった本を読むのが好きだっただけです。せいぜい今、子どもたちにとってのささやかな冒険の手助けをしている程度です。
植村直巳の著作
本多勝一の著作

憂鬱というのは人間誰でも抱く感情ですが、探検家特有の憂鬱というものが存在するのだろうか。この疑問を持って読み進めました。最初のうちは、35歳も過ぎて確固たる生活基盤がない人と女の子に思われるのが嫌だとか、女の子と慎ましやかな幸せを手に入れることが出来なかったとか、探険家の3大北壁は就職・結婚・子どもだとか、特別探検家でなくとも、抱きそうな、えっこんなことと思うようなことが憂鬱として書かれています。
しかし最後に核心に迫る記述がありました。
一つの事に成功すると、今度はもっと大きくて困難な目標が頭に浮かぶのだが、しかしその瞬間、その目標に自分自身が絡め取られてしまう、つまり目標そのものが、目標というより、達成しなければならないという風に自分を追い込む強迫観念となってしまい、それを断念する事が自分の弱さの露呈であるような気がして、永久に逃れられなくなってしまうのだ。目標から撤退する事は、死を覚悟で挑戦することよりも時に苦しい事がある。
著名な冒険家の死というのは、こういった背景があるのでしょう。
目標に絡め取られてしまうということは、ビジネスの世界でも起こりうることだと思いますが、生死をかけた(実際に死を間近に感じた事のある)者にしかわからない感覚なのでしょう。


「経済効果」ってなんだろう?

「経済効果」ってなんだろう?

ニュースや新聞を見ていますと、何々の「経済効果」はうん億円なんて言葉をよく目にします。ただ、誰がどのように算出しているのだろうか、とまでは思いが及びませんでした。
一つのイベントや事象が発生したときに、その経済効果を計算するには、「直接効果」「一次波及効果」「二次波及効果」の三種類を計算してその合計した数字を「経済効果」(いわゆるマスコミが使う用語、経済学的には「経済波及効果」)といいます。たとえば、ある観光地が世界遺産に登録されたときの経済効果を考えます。観光客が大勢訪れて、交通費を使い、観光料を支払い、みやげ物を買い、飲食をして、宿泊する。これらを「直接効果」といいます。そして観光客が飲食をすると、それらのホテルや飲食店に販売している米屋・肉屋・魚屋・八百屋・酒屋などの売り上げも増加する。みやげ物についても、製造会社や原材料会社の売り上げが増加する。このような原材料の売り上げ増加金額を「一次波及効果」といいます。さらにこれら「直接効果」、「一次波及効果」によって企業や商店の売り上げが上がると、それらの経営者や従業員の所得が増加します。その増加分の一部を消費に向ける。その消費増加分を「二次波及効果」と言います。ちなみにこの「経済効果」という指標は、利益でなく、あくまでも売上高であるということです。
著者は関西大学大学院の教授のということもあってか、吉本興業・阪神優勝・ユニバーサルスタジオジャパン・百舌鳥古市古墳群の世界遺産登録・ミシュランガイド関西版・大阪マラソン・食博覧会大阪・たま駅長(和歌山電鉄)さらには、くいだおれ太郎まで、関西地区の話題のイベントを中心に具体的な数字を用いて、経済効果の算出方法を教えてくれます。
このように、詳細なデーターを下に、かなり緻密に計算されるべき指標ですが、最近では言ったもの勝ちという悪しき風潮もあり、必要以上に大きな数字がマスコミで大々的に報道される事もあるので、予想よりも、検証が大切ということです。
また、本書では、経済効果を計るとともに、シュンペータ(詳しくはウィキペディア シュンペーター)の経済発展の理論を用い、その成功の秘密を解説してくれます。
1.新しい財貨の生産
2.新しい生産方法の導入
3.新しい販売先の開拓
4.新しい仕入先の獲得
5.新しい組織の実現(独占の形成やその打破)
シューペーターは経済が発展するためには5つのイノベーションが必要と提唱しました。
現代風に読み替えますと、
1.消費者のニーズにあった新商品の開発
2・コストダウンや合理化をはかった新生産方法の導入
3.新しいマーケットの獲得
4・新しい資源の利用と供給先の確保
5.旧態依然とした組織を改善した新組織の構築
これらをふまえAKB48(このまえも取り上げましたが、私のブログAKB48でもわかる経済の教科書娘がファンなので、こんな裏があるんだよと教えるためです。)の戦略を教えてくれます。

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道は開ける

道は開ける 新装版

先週読んだ、(私のブログ空気をこわさず上司を説得し。プライドを傷つけず部下を動かす方法)でデール・カーネギーのことを知りました。本書は「人を動かす」とともに、デール・カーネギーの代表作とされている本です。「空気をこわさず上司を説得し。プライドを傷つけず部下を動かす方法」では、カーネギーが自らの話し方教室の教科書にするために書いたといわれる、対人関係を綴った「人を動かす」をもとに、話が進められますが、本書は、人間の悩みの実態とその克服法について書かれています。「悩み」についての様々な本を読破し、多くの人にインタビューし、さらには、自身の教室の生徒を実験台に研究を重ねた結果、より多くの実例を挙げ説得力のある記述が成されています。
いかに、悩みに囚われずに生きるか、悩みをどう克服していくか、とにかく前向きになることでしか道は開けないと教えてくれます。

悩みを完全に克服する方法として、信仰心に多くのページが割かれていますが、彼の母の影響を大きく受けてのことだといいます。キリスト教の国と現在の日本では、大きく状況が異なるため、これは少し違うなと思いました。
宗教というと、どうもおかしな事ばかりが、目に付く現代日本では、私だけの感想ではないのではないかと思います。しかし、否定しきっていただけに、次の記述になるほどと深く共感出来ました。
祈りは神を信じる信じないは別にして、あらゆる人々が共有する非常に根源的な3つの心理的欲求を満たしてくれるのである。
1、祈りは私たちが何のために悩んでいるかを言葉で表現する助けになる。実体がはっきりしないうちは、問題に対処する事は不可能である。助力が欲しいなら、相手が神であれなんであれ、言葉で表現しなければならない。
2、人間は思い荷物やとても耐えられない苦悩を独力で耐えていけるほど強靭ではない。時には近親者や友人にさえ打ち明けにくい悩みもある。誰にも話せないときは、いつでも神に訴える事が出来る。
3、祈りは、行為という積極的な原理を強制する。これこそ行動の第一歩である。毎日何か成就されるよう祈るのは、必ずなんらかの恩恵を受けているか、少なくとも成就しようと努力しているからに違いない。
自然の神秘な力が私たちを支配している限り、それを神と呼ぼうと、アラーと呼ぼうと、霊魂と呼ぼうとその定義にこだわる必要はないのではないか?もしあなたが信仰を失っているなら、全能の神にそれをお恵み下さいと祈るがいい。

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自滅する選択

自滅する選択―先延ばしで後悔しないための新しい経済学

「自滅する選択」それは、自分で選んでいるのに自分の利益に反してしまう矛盾した行動のことを言います。たとえば、肥満の問題、健康でスマートでありたいと思いながら、好きなものを好きなだけ食べてしまう人。健康によくないかつ無駄にお金を消費してしまうことがわかっていながら、一時の安らぎを求めてタバコを吸う人、仕事の先延ばし、ギャンブル、多重債務どれも長期的な視点から見ると自分の利益になりません。
ではどうして、人はそのような行動をとってしまうのでしょうか。それは、時間割引率という概念が当てはまります。選択する人が、将来よりも現在にどの程度ウエイトを置いているかということです。将来に重きを置く人は、1年後のりんご2個に重きを置きますが、現在に重きを置く人は今日のりんご1個に大きな満足を得ます。前者を忍耐強い人、後者をせっかちな人と言い換える事も出来ます。健康か不健康か問われれば健康を選択する人が、今日の快楽と5年後の健康かと問われたとき、今日の快楽を選択してしまうというのと同じです。
さらに時間割引の中で、近い将来のことが、遠い将来将来のことに適用される時間割引よりも大きくなることを双曲割引が大きいといいます。より現在を重視する行動をとってしまうのです。
では、どうやって「自滅する選択」を回避すればよいのでしょうか。まず自分の双曲性を認知して自制心を持つこと、しかしいくら自制心を持っても、長期の利益(たとえば健康)という抽象的でぼんやりしたものを得るために目の前に大きく見えている利益(たとえばご馳走)を我慢する事は、大変難しいことです。そこで、その辛い作業を助ける3つの方法があります。
1つは、意志力や認知力を使わず長期的な選択が確保できるようにする事です。肥満の問題であれば、ダイエットクラブに入会する事や定期的に健康診断を受ける事、貯蓄の問題であれば、解約手数料が高い積み立て預金をすることです。外的な強制を伴う拘束手段を利用する事です。
2つ目は、計画期間を短く刻んで行動計画を立てることです。
3つ目は、認知判断によって選択できる状況を作ることです。本能や衝動性は生存にかかわる機能なので、それにスイッチが入ってしまうと理性的な判断が難しくなってしまいます。

こうすれば、よい(特に私は喫煙者のため喫煙の問題を解決するための答えを探しながら読みました)という決定的な答えは見出せませんでした。何よりも相手が人の心という千差万別のものですから、こうすれば、すべて解決というわけには行かないのが当然でしょう。自滅する選択はどういうメカニズムでされるのか、自分の双曲割引を考え自制をするという考え方が得られましたので。
これからの選択に幅が出来たような気になりました。

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悩まない!技術

悩まない! 技術 人生を変えるリフレーミング思考

人は、問題や悩みに直面すると、過去の経験や学習で培われた「思考の枠組み」(フレーム)を使って対処しようとします。それが効率的ですし、大抵はうまく行きます。ところがその枠組みが事態を悪化させ、解決を難しくしている事もよくあります。起こった出来事や抱える悩みを、全く違った枠組みで捉え直すことを「リフレーミング」といいます。
問題を捉える状況を変えることで、価値を転換するのが「状況のフレーミング」です。問題や悩みに「都合がいい」状況を探し出そうというものです。人・時間・空間・目的の4つの視点を変えることによって導き出します。
人間は意味を求める動物です。問題や悩みといったネガティブの事柄の中にポジティブな意味が見出せればやる気が湧いてきます。これが「意味のフレーミング」です。利や得といった観点で見ることは加点法で、害や損の観点で見るのは減点法です。加点法に転換する事で、新たな策が見つかったりします。心理的なストレスを軽くする事が出来ます。一歩前に進む勇気が湧いてきます。
切り口の豊富さが、転換視点の豊富さに繋がっています。ボキャブラリーの豊富さが必要になります。
問題を解決せずに、悩みを克服する。これがリフレーミング思考の特徴であり「悩まない!技術」とはこういう意味です。「問題は解決しないといけない」と思いがちですが、「問題を解決すべきだ」というのもわたしたちがとらわれている一つのフレームなのです。

単なる言葉尻合わせのように感じる部分もありましたが、発想の転換法という意味では参考にしたい部分が多くありました。

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おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ(サイゼリヤ会長正垣康彦)

おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ

先週「サイゼリヤ革命」を読んで、(私のブログ内サイゼリヤ革命)すっかり感銘を受けた私は、どうしてもサイゼリアの料理をサービスを体験したくなり、この週末に一家で夕食をとりに行ってきました。とにかく待たないことが、本に書いてあった通りでした。週末の夕飯時ともなれば席に着くのに待つ、注文をとりに来るのを待つ、料理が出てくるのを待つということを予想していましたが、どれもいい意味で裏切られました。かといって空いているということでなく、私たちが滞在中ずっと満席状態でした。作業効率を徹底したという事が実感できました。そして言うまでもなく美味しい。レタスのシャキシャキ感、(グルメレポーターではないのでこの辺でやめておきましょう)さらに安い、たまにしか行かない外食ですが、いつもはたのんでもらえないデザートまでたのめて、子どもたちも満足していたようです。サイゼリヤ革命に偽りなしを体験できて、満足行く時間でした。

さて、本書です。本書は会長正垣康彦氏による自書です。
なんとも逆説的なタイトルですが、「自分の店の料理はうまいと思ってしまったら、売れないのはお客が悪い、景気が悪い」と考えるしかなくなってしまう。商売はお客様に喜ばれるという形で社会に貢献し続ける事なのにそんなふうに考えたら、もう改善を進められなくなってしまう。目の前の現実を謙虚に受けいれて、本当にお客様が満足される事は何かを見極めようとする著者思いが込められていると思います。

店舗(店長)ごとの売り上げ目標はなく、適正な利益を確保するという意味で「人時生産性」を上げることが求められているということです。「人時生産性」とは、1日の粗利益額÷従業員の1日の総労働時間で表すことが出来ます。通常飲食店なら、2,000円から3,000円になるところで、サイゼリヤでは5,000円から6,000円になることが求められるということです。私の職場(飲食店ではありませんが)でこの計算をしますと恐ろしく低い数字が出てきそうなので、これが儲からない原因だということがわかりました。

この「人時生産性」を上げるために様々な改善の試みが紹介されていますが、スタッフの多能工化と言ってキッチンスタッフとフロアースタッフそれぞれが両方の仕事をこなすことが出来るようにする事で、作業負荷に見合った配置が可能となるといいます。これは私の仕事場で私が作り上げたシステムと同じ考えなので、私のしたことは間違っていなかったと自信が持てました。

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鍛える聖地

鍛える聖地 (幽BOOKS)

鍛える聖地と聞くと、修験道などを体験してレポートをするというイメージを持ちましたが、そうではないようでした。

そもそも、聖地とは?聖地とか、少しニュアンスは異なりますがパワースポットとか人気のようで、かなりたくさんの本が出ていますが、著者は寺と神社と、それらにまつわる土地・自然、そして妖怪モノノケが潜んでいるらしき怪しい場所。要するに人間以外のモノが元気よく生き生き暮らしているところと定義しています。結局どこでもいいのでは?という疑問が湧いてしまう定義ですが、関東の著者にとっての聖地を巡ります。

冒頭の「鍛える」は、著者にとってその聖地にたどり着くための行程が著者を鍛えている事、著者が聖地で感じる様々な事象が著者を精神的に鍛えているといことだと読み取れます。

聖地らしく清々しい気持ちになるレポートは、是非自分も行って見たいものだなと、思わされますが、概して「妖怪モノノケが潜んでいるらしき怪しい場所」と定義されている事からも想像できますように、おどろおどろしい体験が多く、本全体がおどろおどろしい読後感になってしまいました。著者は怪談を書く作家のようなので、おどろおどろ感が出せたということは著者にとっては、成功なのかもしれません。

皇居に宮内庁に予め申し込みをして入れる参観コースがあること。江ノ島は行った事はあっても、裏側(相模湾側)にも面白そうなところがありそうだ。と知れた事が収穫でした。

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