遠距離通勤のお供「読書案内」
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決断の条件

決断の条件―マネジメント力を鍛える実践ケース50

本書のあらゆるケースが個別具体的である。かつあらゆるケースが、それぞれの組織全体の活動とかかわりを持ち、ひとり一人の人間とかかわりを持つ。したがって、あらゆるケースが具体的な問題意識とともに、組織の複雑さと人間の複雑さを理解するために読み、論じ、取り組むことができる。(はじめにより)このような前提の下、各項目の最後に、ドラッカーによる「質問」が付されています。更に、翻訳者の方による「一つの視点」という「質問」を考える上でのヒントが書かれています。
それぞれの項目に書かれたケーススタディーについて、理解したつもりでも、いざ「質問」を読むとなかなか、どう答えてよいかわかりません。「一つの視点」考える方向性はわかっても、解答するにはいたりません。自分の勉強不足と、経験不足を思い知らされました。

ゴール管理
ある組織がゴール管理のための「キャッチボール経営」なるものを始めた。まずは、大勢のリーダーを集め、数週間かけ、ゴールの徹底を図ることにした。その結果その一人ひとりが、うちの組織の役割はこれこれだと言えるようになった。それはあたかもキャッチボールを投げているようだった。
「さあ行くぞ、それがゴールだ。そのボールをどうするつもりだ」
「ボールは受け取った。うちが捌く。さあ投げるぞ。そっちはどうするつもりだ。」
あらゆる階層がゴールを理解していた。それどころか、それらのゴールへの自分たちの貢献を知っていた。ゴールを知っているがゆえに、ゴールに正面から取り組んでいた。ゴールを是としていた。組織が本気であることを疑わなかった。ゴールが彼らのものであることも疑わなかった。したがって、ゴールの達成は強く動機付けられていた。こうして、キャッチボール風のコミュニケーションが大きな役割を果たした。関係者全員を巻き込むことによって成果を挙げた。
しかし、ゴール管理だけでは、一応の成果しか挙げられなかった。しかし、組織間の関係マネジメントにおいて突出したプロジェクトが一つあった。
「このプロジェクトでは特にチームワークが重要なので、チーム作りに時間を割きたい。チーム内に信頼関係を確立し、ゴールを決定し、ゴールに誇りを持ち全力を注ぎたい。」と宣言した。さらに事前準備に時間を割き、プロジェクトの理解に勤めさせた。ゴールは何か。仕事はどのように進めるのか。問題が生じたらどう解決するのか。プロジェクトのリーダーたちは、はっきりものを言い続けた。その結果、ゴールは何か、チームはどう動くのか、チーム内の揉め事は多めに見ないことなどついて誤解の余地はなくなった。リーダーたちは、「われわれは一緒に働いている。腕を組んでいる。後ろ向きなことは一切なしにしよう」と言い続けた。その結果生まれたのが最強のチームだった。リーダーたちはルールを定めてチームを動かした。その上で一人ひとりのメンバーに権限を与えた。「これがわれわれにとって大事なことだ」「これがゴールだ」「これが一緒の働き方だ」
こうしてリーダーたちの真剣さ、能力、人柄が、チーム全体にしみこんで行き、やがて驚くほどの成果をもたらしたのだった。

私には、理想ののチームの作り方・仕事の進め方に思えました。しかし、次ページにある「質問」に行くと、良いことばかりではないのではと思いました。

「質問」
ゴール管理のための「キャッチボール経営」の強みと弱みは何か
次の分析をコメントしてほしい。「相手の考えをキャッチし、消化し、次の層へ移す。これがキャッチボール経営」である。こうして組織は縦方向に一体化する。コミュニケーションが行われ、参画と成功の確率を高める。こうして一人ひとりの人間が、自らの仕事と事業全体のかかわりを知る。システム型組織のマネジメントおよび提携のマネジメントの観点から、このキャッチボール経営を評価してほしい。
「一つの視点」
キャッチボール経営は時間と金がかかる。消費財開発プロジェクトにおいてキャッチボール経営が有効であるための条件を考えてほしい。
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これだけは知っておきたいドラッカー

これだけは知っておきたいドラッカー

ドラッカーの主張を極限まで要約し、二段階に分けて言うと以下のようになります。
1、本当の経営者はイノベーションを起こす。
2、イノベーションを起こすには、組織をマネジメントする必要がある。
ドラッカーといえども、経済学の大きな歴史の流れの中に位置する存在です。ドラッカーは、ケインズ(1883~1946)ウィキペディアシュンペーター(1883~1950)ウィキペディアの影響を強く受けていると考えられます。

シュンペーターのいうイノベーションとドラッカーのイノベーションも同じです。
シュンペーターのイノベーション
新しい仕入れ先を獲得・新しい生産方法を導入・新しい組織を実現・新しい製品を生産・新しい販売先を開拓することです。これらの自己改革によって、自社の製品やサービスの価格が下がります。すると顧客満足度は上がります。これがイノベーションです。改革によってコスト減が図られても、価格が下がらなければ、イノベーションとは言えませんし、仮にコストが下がって価格が下がったとしても、そのコスト減が他社のイノベーションによるものでなければ、自社の社員や取引先に犠牲を強いることになります。それはデフレを生じさせ、経済をだめにします。コストの低下にはそれなりの理由が必要だということです。創意工夫によるコスト低下でないといけないのです。

では、どのようにしてイノベーションを起こせばよいのでしょうか。
それは「直観」を頼りにするということです。「直観」とはありのままに見るということです。
私たちは行動を起こす時に必ず何か考えてしまいます。それは勝手な想像だったり先入観だったり、または信念や信条だったりします。「直観」は自分自身の価値観を先に持たないということです。価値観から自由だということです。それぞれの価値観はあるべき未来像、場合によってはあるべき未来に向けて何をすべきかまでを規定してしまうことになります。予測とは現在と未来の因果関係がはっきりしている場合のみ成り立ちます。誰にも予測不可能なことなのです。ですから、「直観」で行動するしかないのです。

経営者には「イノベーションを起こす企業家」と「マネジメント行う組織のリーダー」の二つの面があります。
イノベーションを行っていくためにには「組織を率いること」が必要不可欠だからです。
本格的なマネジメントの実行のためには、ドラッカーが設問した経営者への5つの質問がぴったりです。
1、われわれのミッション(使命)は何か
2、われわれの顧客はだれか
3、顧客は何に価値を感じているのか
4、われわれにとっての成果は何か
5、われわれのプランは何か
4の成果についてですが、多くの経営者は売上や利益という言葉で終わらせてしまいます。しかし、顧客をどのように満足させたのかが唯一の成果だといいます。顧客は感謝の意を示す方法として料金を支払うのです。
ですから、社員の評価も、わかりやすい数字だけに惑わせられることなく、ミッションへの貢献度で評価すべきなのです。

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50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?

50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?

なぜ赤字が止まらないのか、どうすれば儲かる会社に変われるのかをテーマにしたビジネスストーリーです。
前にも書きましたが、この手の本は、ストーリーを楽しみながら、学べるという点で好きです。

女子大学生の主人公が、ゼミの一環として、1年間企業で働き、企業の実体を学ぶというプログラムに参加するというストーリーです。
主人公の研修先に選ばれた企業は、中堅ファミリーレストランチェーン。なかでも万年赤字の店舗の配属になります。ここで教授の月1回の指導を参考に赤字脱出に取り組んでいきます。
本社の経営企画室長の作ったプログラムは、管理会計上黒字になるためのプランでした。売り上げを上げる・固定費を下げる・利益率を上げるという顧客の目線とは関係のない損益分岐点の右側(黒字・左側が赤字)に持っていくためだけに練られたプランです。
いざ実行すると、確かに固定費は下がったものの、店の雰囲気が悪くなり、顧客が離れ売り上げが減ってしまいます。
そこでお客様アンケートを実施し、顧客がなにを求めているかを探ります。
そして、商品とサービスを顧客満足につなげる・生産性を向上させると言う二つの視点から、お店にイノベーションを起こしていきます。
最後には、黒字転換、隣に安売りを売りにするライバルチェーン店がオープンする日も、満席にするという感動の結末を迎えます。

さて、表題の「50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?」ですが、
料理の値段を1000円として材料費を30%とすると
50円のコスト削減の場合の利益率
 (1000ー250)÷1000=75%
100円の値上げの場合
 (1100-300)÷1100=72.7%
50円のコスト削減の場合の方が利益率が高い事になります。

また、売上高をともに11万円とすると
50円のコスト削減の場合の販売個数と利益額
 11万÷1000=110個
 利益8万2500円(11万×75%)
100円の値上げの場合の販売個数と利益額
 11万円÷1100=100個
 利益11万円×72.7%=7万9970円

販売個数の違いと言う事がわかります。
何も変わらないのに値上げだけをすると、販売数は減少します。
一方コスト削減は、販売数には影響しない上効果はすぐに表れます。
ただし、顧客満足を害するような無理なコスト削減は、顧客を減らしてしまいます。

売り上げの増加をもたらす顧客満足の視点とコスト削減をもたらす業務の視点を上手く組み合わせる必要があります。


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なぜ、いい税理士を顧問にすると、銀行はお金を貸したがるのか

なぜ、いい税理士を顧問にすると、銀行はお金を貸したがるのか

中小企業の社長向けに、税理士の視点から、資金繰りの重要性、そのための融資の引き出し方・銀行との付き合い方、よい税理士の選び方について書かれた本です。
一見、税理士は会計のプロなので、銀行も良い税理士のお墨付きがある企業に融資を出しやすい、税理士は守秘義務があるので、変な経営コンサルタントを雇うよりも、会計以外の相談にも乗りやすいなど、税理士の宣伝の本のような気がします。しかし、本書では、銀行から有利な融資を引き出仕方としていますが、銀行は返済可能な金額しか、融資してくれません、基本通りの経営が成されているか?資金の使途は何か、返済のプランはあるか?銀行が融資に納得するということと、いわゆる良い経営の基本は同じだということを教えてくれます。
決算書という「過去」プラス事業プランという「未来」の提示が必要です。
ただ、いくらの利益が出ます、と言ってもそれは絵に描いたモチです。
どのような考え方で(経営理念)
どのように実行するか(行動計画)
が必要です。
経営理念は3つの要素から成り立っています。
ミッション(会社の基本的役割・使命)
ビジョン(将来の会社の姿や目指す方向)
バリュー(価値観や考え方)
自分の会社が、どこに向かって何をするのか、そのために何がどのくらい必要なのか、その数値を達成するためには、何をすればよいのか、誰でもわかる形でまとめ、ひとつひとつクリアする事で、最終的な大目標にたどり着くことが出来るのです。

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100円のコーラを1000円で売る方法

100円のコーラを1000円で売る方法

「もしドラ」や私のブログ「ドラッカーと会計の話しをしよう」のように、物語を追いながら、経営の一端を学べる本です。これから、経営を学ぼうという方には、とっつきやすい仕立てになっています。

今までの私でしたら、100円のコーラを1000円で売るということは、こういうことでした、と書いているところでしたが、あるブロガーの方に「ネタばれ」という概念を教えていただきましたので、そんな、野暮な事はしません。
サービスという目に見えない価値を売っているから、というヒントだけにしておきます。

本書の中心テーマは、カスタマー・マイオピア(顧客が言う事はなんでも引き受ける)からの脱却です。
本来の顧客中心主義から逸脱し、何でも引き受けることによって、同業他社との差別化が難しくなり、価格競争に陥ったり、顧客が望む事として、開発費に必要以上に投資したりして、高品質なのに低収益結果、収益の低下を招いたりするのではなく、顧客の課題に対して、自社ならではの価値を徹底的に考え、実行する事が重要だといいます。
そのためには、まず事業の定義を持つことです。アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したか、という例を上げ、自分たちの事業を、輸送業として捉えず、鉄道事業として捉えたため、移動手段や物流手段として、バス・トラック・飛行機に顧客が流れても、気にしなかったからです。自分たちは、お客様のために、良い鉄道事業を提供する事と、事業定義したため、お客の流出に歯止めが利かなかったそうです。
また、化粧品メーカーを例に、片方は化粧品の製造販売を事業とし、片方は、事業をライフスタイルと自己表現、そして夢を売ることとしている場合、どちらが将来性があるかという、問いに、改めて、顧客が望む本当の価値はどこにあるのかを考え直さなくてはいけないと思いました。

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