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図書館はラビリンス

図書館はラビリンス―だから図書館めぐりはやめられない…〈Part2〉

長年、図書館の館長として勤められ、現在は大学で図書館学を教えらている方が著者です。
図書館にはいつもお世話になっていますので、図書館の内情みたいなものが知れれば、もっと図書館通いが楽しくなると思い、手に取りました。
私の行く市立図書館は、数年前からTRC(図書館流通センター)に業務委託しているようです。行政の民間委託という言葉がありますが、これがまさにそれにあたるのだなと、ニュースで聞いた出来事を間近に感じた一件でした。民間委託になってどう変わったかと言いますと、まず閲覧蔵書量が増えました。購入予算が増えたのかどうかわかりませんが、画期的なことでした。もう一つは、係員の方の受け答えがよくなったことがあげられます。「こんにちは」「ありがとうございました」感じ良く応対していただけます。さすが民間企業と思いました。図書館については、あくまでも行政サービスの一環としてしか見たことはありませんでしたので。こんな程度の知識や感想しかありませんでした。

しかし、本書によって、図書館というのは、こんな理想があり、理念がある場所だと知り驚きました。

図書館は良書のセーフティーネットでなければならない。図書館が買ってくれるから、安心して良書が出版できるという仕組みを考えないと、旬の話題を追う企画本とベストセラー本が大半を占める「無料貸し本屋」に限りなくなってしまう。ハリー・ポッターシリーズが当然のように大量に購入され貸し出されているのは、日本の図書館くらいである。利用者が求めるからというのは実は言い訳で、その前に、図書館サービスの基本をきちんと利用者に伝えているだろうか。

図書館が貸し出しサービスに傾注するあまり、たった一冊の本が県内の何処にもないということが普通になってしまっている。公共図書館は貸し出し冊数で競い合うサービスではない。出版物をスットックするサービス機関であることを、図書館はもっと真剣に考えるべきだと思う。

出版文化というものを出版業界と図書館は話し合うべきである。出版不況の犯人捜しをする前に不況に至った制度・構造疲労を見直す必要であると思う。出版を文化というのなら、新刊本の適性な部数の検討、中小書店を廃業させない保護・支援の検討、流通の改善等を優先すべき事で、図書館もこのことを本気で考えるべきである。でなければ、真面目に出版文化を考えている地方の書店と、同じく図書館は貸し出し冊数にあらず、と頑張っている図書館はなくなってしまう、と本気に危惧している。

出版文化の一翼を担う場所としての図書館という考えに初めて触れ、驚きとともに、理想の図書館が増えると良いなと思いました。


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